ゴッホの普段の生活は「絵を描く(仕事をする)」か「寝る」か「読書をする」ことが多かった。特にその当時パリで流行していた「フランス自然主義文学」がお気に入りだった。自然主義文学とはありのままの庶民にフォーカスをあてた大衆文学。
日本で有名なフランス自然主義文学はヴィクトール・ユゴーの「レ・ミゼラブル」だろう。ユゴーはフランス自然主義文学の前衛的存在で売れっ子小説家だった。「レ・ミゼラブル」以外も日本語訳されている作品も多い。読めばゴッホの考えや思想に近づけるかもしれない。ちなみに筆者は下記に紹介する本はすべて読破した。
※文庫版のみ対象にしています
19世紀フランス文学を代表する作家。後のロシア文学の礎を築いたドストエフスキーやトルストイにも影響を与えた。また「レ・ミゼラブル」で有名なヴィクトール・ユゴーの親友であり、フランス自然主義文学のさきがけの作家。ちなみに高級文具メーカー「モンブラン」で毎年作家シリーズの限定文具が発売されているが、2013年はこのバルザックである。代表作の「ゴリオ爺さん」・「谷間の百合」などが日本語訳されている。
下記のモーパッサンに影響を与えたフランス自然主義文学者の一人。代表作「ボヴァリー夫人」はゴッホのお気に入りの作品。「サランボー」「ブーヴァールとペキュシェ」などゴッホの手紙に言及されているが日本語訳されているのは「ボヴァリー夫人」のみ。
ゴッホがもっとも評価している同年代のフランスの人気作家。短編の名手と言われ250以上の短編を書いた。中でもゴッホは「ベラミ」という作品がお気に入りで、テオへの手紙にたびたび言及されている。習作の油彩画に描くほど。日本語訳されているのは「モーパッサン短編集1・2・3」の他、「女の一生」・「脂肪の塊・テリエ館」・「ベラミ」など。
画家のエドゥアール・マネやポール・セザンヌと親交があったフランス自然主義文学者の中心の一人。ゴッホの評価が高い作家の一人でゾラの作品「生きる歓び」を自らの信条と重ね合わせて絵に遺している。日本語訳されているのは代表作の「居酒屋」・「ナナ」だがゴッホは先日の「生きる歓び」や「ジェルミナール」もゴッホの手紙に言及しており日本語訳されていないのが残念だ。
日本語訳はされていないので割愛しているが、ゴッホはこの他にもゴンクール兄弟・ドーデ・リシュパン・ユイスマンスなどの作家を挙げている。
ゴッホ.jp管理人 Yoshiki.T
ゴッホの筆致に魅力され独学で研究。大阪でデザイン事務所を経営する傍ら、ゴッホが関連する企画展は日本中必ず観に行く。国内のゴッホ研究の第一人者大阪大学教授圀府寺 司教授を尊敬している。おすすめはひろしま美術館の「ドービニーの庭」